SWANSONG 【感想・レビュー】

SWANSONG感想12

Le.Chocolat meets FlyingShine「SWAN SONG」の感想を書こうと思います。

セーブデータによると去年の5月終わりから6月頭に自分はこれをプレイしたそうです。
つまり一年弱前の話になります。
しかしあの時の興奮はいまだに覚えています。
ひとつひとつの光景を鮮明に思い出すことだってできます。
それほどにこの作品は自分にとって強烈なものでした。

とりあえす、最初はネタバレなしで紹介文めいたものを書いてから、ネタバレありの感想を書いていきたいと思います。

では、まずネタバレなし紹介文から。
と、その前にこれを観てください。
SWANSONG のPVです。


……どうだったでしょうか。
いろいろ感想を持ったと思うのですが、本編はだいたいこのPVの雰囲気をそのままにエロゲに落とし込んだというような内容となっていまして、シリアスな話が続き、それは不気味で恐ろしかったり美しかったりします。

ストーリーについてはあまり話すとネタバレになってしまうので、これくらいにしておきます。
しいて言わせてもらえば、鬱々とした感じでもジメジメとした感じでもありません。
ですから、世間で言われている「鬱ゲー」という言葉にあまり身構える必要はないです。
登場人物がみんなそれぞれ必死に日々を過ごし、ある種生き生きとしてすらいます。

次にこの作品の形式について。
SWANSONGは、少々他の多くのエロゲと異なった形式をとっています。
これについては画像を見てもらった方が早いと思います。
SWANSONG感想9
SWANSONG感想8
このように立ち絵がなく、文章と顔のカットインで画面は構成されています。
また、文章が長いことも大きな特徴の一つです。
時には画面の上から下までが文章で埋められます。
そして文そのものについても、普通のエロゲで見られるような紋切型ではなく、小説のように、言葉の力を存分に使っていこうという意思の見える文です。
こうして長大な文章を書きたいがゆえに立ち絵がないのだとも言えそうです。
SWANSONG感想19

カットインされるのは顔だけではありません。
CGそのものがカットインすることがあります。
しかもこの数が多く、このことは場の臨場感を出すことに一役買っています。
SWANSONG感想11
SWANSONG感想10

それから、この作品は群像ものとなっていて、複数の視点で物語が進んでいくこととなります。
視点が変わる際には下記のような画面が挟まれます。
基本的な主人公は、尼子 司という青年です。
ピアノを弾く、大人びた大学生です。
SWANSONG感想13

……と、だいたいのところは、こんな感じです。

未プレイの方はまずは体験版をやってみることをお勧めします。
上に書かれたことを実際に体験することができますから。
ただ始めはとっかかりにくいかもしれません。
特に最初の方はCGも立ち絵もなく、長ったらしい文章が続き、放り投げたくなるかもしれません。
実際に自分はほんの少しだけプレイしたあと、数か月放置していました。
しかしそれでも読み続けているうちに、いつの間にか瀬戸口さん(シナリオ担当)の文章にのめりこんでいっていました。
そしてその先に大きな興奮がありました。

要するに、ぜひ、プレイしてみてください! ということです。

紹介文を終わります。


体験版は下記の公式サイトにあります。
体験版には一部システム(タイトル画面・セーブ・オート・顔カットインetc)が搭載されていません。
(SWANSONG 公式サイト)
現在「SWANSONG」のソフトは、メガストア2013 3月号にて収録されています。今のところ在庫はまだあるようです。なくなっているようでしたら、ダウンロード系のソフト販売サイトなら置いてあるのでそちらから。
(メガストア公式HP)

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ネタバレあり感想文

ここからはプレイ済みの人に向けての記事となります。

とはいっても考察とかをするつもりはありません。
なんとなく「あーこんなだったなー」と思い出を振り返る一助となれば、というところです。

まず謝らなければいけないのは、田能村慎に対してですね。
ほんともう土下座ものですよ。
プレイする前に公式HPのキャラ紹介を見たときから、絶対にこいつは裏切るだろうなと思っていました。
プレイし始めてからも、登場のしかたとか、話し方とか、とにかくいろいろ胡散臭くてしかたなかったです。
それなのに!
めちゃくちゃ良い人じゃないですか!
こんな善人なかなかいるもんじゃないですよ。
しかもめちゃくちゃかっこいい!
SWANSONG感想2
この場面はガッツポーズ的な意味で一番興奮したところです。
見方によればキザとも捉えられかねないこういう行動も、この状況、この田能村という人格、等を鑑みれば、そんなマイナス感情は吹き飛んでしまいます。

また違った意味で予想を裏切ってくれたのは鍬形拓馬ですね。
この人もキャラ紹介を見たときに、裏切るんだろうなと思ってました。
そして例えば脅迫だとか、陰湿でねちねちとした淫らな(エロゲという媒体てきに)行為をヒロインズにするんだろうなと思ってました。
しかし違いました。
というか、この作品において安易な裏切りだとか、そういうのはありませんでしたね。
行動のひとつひとつが確かな思考の末のものであると感じられました。
で、鍬形の話に戻しますと、豹変ぶりがすごかったです。
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この豹変についてもとても自然な成り行きで変わっていったので、違和感がまったくありませんでしたね。
そりゃそうなるだろ、と。

他の主な登場人物についていえば、
尼子司はまったく最後まで根本的な部分はぶれませんでしたし、
佐々木柚香は達観しすぎてて、
川瀬雲雀は純真で可愛すぎました。萌ゲー的な可愛さではなく、かといって現実的なそれでもない。新たな可愛さを発見したような感じです。
八坂あろえに至っては登場人物というより象徴としての舞台装置のようなものでしょう。

とにかく田能村を含めて鍬形以外の5人は「物語の登場人物」という感じがありありとして、それだけ鍬形の人間味が増していました。
豹変したから人間らしい、とかそういうのではなく、その前から、人の死に対して強くおそれているのは彼だけでした。

SWANSONG は美しい作品です。
SWANSONG感想4
この場面などは鍬形では決して作り出せません。
もしここに座るのが尼子や佐々木ではなく鍬形だったら、途端にこの作品は、嘘めいたものとなっていただろうと思います。
確固たる登場人物としての、尼子と佐々木でしかこれを美しく仕立てるのは無理だったということです。

人間を書きつつ、その先に清潔な美しさを描かれた、とでもいえばいいのでしょうか。
佐々木が途中から何やら悩みを打ち上げ出し、自分こそが物語の主軸であるのだと、そういう書かれ方をされ始めたのも、最後の場面とそれまでの人間的なあれこれを、無理なくつなげるためのものだったと自分には思えました。

人間的な部分を鍬形が担い、美しさの部分を他の5人で作り上げた。
そうしないとあの美しさは作れない。
そのための群像劇だったのかな? という感じです。

ふう。
こっからは場面ごとに感想を述べていきたいと思います。

SWANSONG感想6
この場面は感動的でした。
敵同士っぽいんだけど、まだ仲間でもある、みたいな。
田能村デッドエンドを知っているだけに……。
物語が終わりに向かっているんだと感じさせられた場面でした。

SWANSONG感想3
血が沸き起こるという意味での興奮が強くあったのが、この場面です。
このあと包帯ぐるぐるになった鍬形は凄みが増しました。

怪我した裸の女信者を犬に噛ませるところなんかも興奮させられました。
興奮といえば、ノーマルエンドのラストあたりは忘れられません。
体育館が燃え盛るシーンです。
SWANSONG感想17
これはひどかった。
これ以上に胸糞悪くなる演出はないでしょう。選択肢って。ピンポーンじゃねえよ、と。
それだけあの状況の意味不明さとか、混乱の只中にいる感じとかは強く感じられました。
このあとの校舎内における、尼子&佐々木&鍬形&小池希美のやり取りもよかったです。
小池さんかわいそうだった。がんばったんだけどね。鍬形君ひどい。

SWANSONG感想7
これはねー……最後に残ったCGだったんですよ。この直前の選択肢をセーブし忘れてたみたいで、見つけるまでに時間がかかったなー。
ようするにトゥルーエンドまでやったあとにこのシーンを見たわけでして。
その後のいろいろを知ってしまっているだけ、彼らの微笑ましさが強く胸に響きました。

同じような感じで風呂のシーンもよかったです。田能村が混浴だーって騒ぐやつ。
あのときは、あー楽しいなー、と純粋に思わされました。

SWANSONG感想5
んで、最後にこれです。
上にある、尼子と佐々木の場面と、同じ視点の絵ですね。
このヒマワリが気持ち悪いって感じるのは僕だけじゃないはずです。
なんか周りの風景と馴染んでなくてコラージュっぽいし。
それが何を意味してるのかは考える必要もないだろうと思って考えてません。

あのあと、確かに彼らは幸せになったに違いありません。

という感じでSWANSONG 感想を終わりにしたいと思います。それでは。

SWANSONG感想18

(Le.Chocolat公式HP)
(SWANSONG 公式サイト)
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[ 2014/03/21 00:51 ] 感想・レビュー | TB(0) | CM(0)

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