蒼の彼方のフォーリズム(sprite) 体験版 【感想・レビュー】
sprite最新作「蒼の彼方のフォーリズム」の体験版をプレイし終えたので、その感想を書こうと思います。
まずはっきりと要点だけを言いますれば、すっっっっごく面白かったです。
なんて言えばいいのでしょうか、とにかく作品全体におけるワクワク感がものずごかったです。
ワクワク感です。
それがプレイしている最中の自分の中で常に沸き立っていました。
エロゲにおいてこんな経験をしたのは初めてです。
いや面白いエロゲなんてものは今までにもたくさんありました。
だからこそ自分は今に至るまでエロゲをプレイし続けているわけですし、こうしてブログなんてものを書いちゃったりなんかしてるわけです。
けど、そうじゃなくて、蒼の彼方のフォーリズムについていえば、これほど少年心をくすぐる、まるで小学生だった頃の自分に戻れたかのような、そんな心高鳴る感覚をエロゲで感じられたことが初めてで、今も自分の体にはまだその余韻が残っていまして、この心地よい中にいつまでも浸っていたいとすら思えてしまっています。
いやーもうなんて言えばいいんでしょうかね。
とにかくこんな抽象的な言葉を並べたてたところでこの魅力はいかほどにも伝わらないでしょうから、もう少しだけ具体的な説明めいたものをしてみようと思います。
まずはあれですね。冒頭の部分。
んーいいですわー。
何がいいっていろいろあるんですけど、まずなによりそのCGの多いこと多いこと!
物語の冒頭に回想・モノローグを置くという手法自体はさして珍しいものではありません。
しかしこのCGの多さというのはあまりお目にかかれることはないです。
現実において回想というのはだいたいにして1枚1枚の絵で思い起こされることが多いものです。
ですからこの多量のCGはそのまま記憶の重みへと繋がっていきます。
今作の主人公にはなにやら深い過去があるようで、体験版の中だけでも何度もそれについて言及がなされていきます。
つまりそれだけ、この記憶というものが作品全体において極めて重要になってくるのだと思われます。
その記憶、その重さ、それらをとても感じられる、そんな作りになっていると感じられました。
あと、タイトルの出し方。
これから何十時間という長い時間をかけて一つの物語を目にしようとしている、その最初の数分。これはとても大事なものであります。これくらい勿体ぶった感じでタイトルを出されますと、こちらのテンションもいやおうなしに上げられてしまうというものです。
それから、「小さい頃は、無敵だった。」というフレーズ。
多くの媒体の作品たちに使われ続けているこのフレーズ。
大好きです。
頻繁に使われ、使い古されてすらいるフレーズであるのに、しかしそこに野暮ったさがない。
ともすれば陳腐ではあるかもしれないけれど、鼻白まされることはない。むしろドキドキしだす心がある。
不思議なもんです。
んで、ここから物語は始まるわけですが、そのシナリオも良い!
基本軸としましては、とある出来事のせいで空を飛ぶことに消極的になっていた主人公が、転校生倉科明日香に会い、彼女に空の飛び方をコーチしていく中で、空を飛ぶということに目を向けるようになっていく、という感じ。
そして最終的にはフライングサーカス部というのに加入したところで、第一話終了。
あらすじそのものはまあ冒頭ということもあり驚くべきところのないものです。
しかしその語り方がいい。
こういうものこそを「シナリオがいい」と表現すべきだとすら思います。
「伏線にビックリした=シナリオがいい」みたいな風潮なんてクソくらえです。
過不足なくと言いましょうか、かなり丁寧にストーリーを語りながら、テンポの良さも兼ね備えていまして、それら二つが絡み合うことによって、引き締まった物語となっています。
地の文にしましても、主人公のツッコミという名のうすら寒い短文に埋め尽くされることなく、慎重に、うるさくない程度に心情の移り変わりが語られます。
会話に関しましても、会話の流れにキャラが沿わされているのではなく、キャラ自身がそれぞれ自立して会話を交わしているような、そんな感覚がありました。会話のための会話ではなく、かと言って事務的でもなく、自然な会話、というものが確かに存在し、それは心地よささえ伴っていました。
んーなんかあれですね。
今までの文章を読み返してみましたけど、なかなかにひどい文章ですね。
なんとか説明しようとして結局失敗しているという感じがひしひしと感じられます。
かったるい文章ですわー。
まあそれだけ言いたいことがたくさん頭の中にあるということです。
言いたい! 伝えたい!
という気持ちはあるのですが、というか、今まではそれでだいたい感想記事も書けていたのですが……。
まあいいや。続けます。
えー……背景がいいです。
これについては体験版の公開より前、公式サイトの舞台紹介欄などでその素晴らしさは知っていましたんですけど、あらためてという感じです。
単純に背景が立体的で、あたかも人々がそこに生きているかのような錯覚すら起こさせるほどだということもあります。
また、時間の移り変わりに敏感な背景は、特に晴れた朝の描写などは息をのまされてしまいます。
そして朝夕問わず、あの影の濃さは見る者に「夏」を感じさせてくれます。
あーあと忘れてはいけないのが、これです。
これまでのエロゲにも、例えばラブリケやフレラバのように、隣に並んで歩くアングルを使うことはありました。
今回はその応用版です。
ヒロインたちと一緒に空を飛んでいます。
これ、静止画だと分かりにくいのですが、足元の方へ薄い雲が流れていっていまして、まさに実際に飛んでいるような感覚を得ることができます。
また、左右の位置を入れ替えることで、両者に挟まれながら飛んでいるのだということも実感できるようになっていました。
これのセリフ消去バージョンなんかはPCの壁紙にもってこいだなーなどと個人的には思ったりしました。
だってこの「ヒロインと一緒にいる感じ」と「開放感」。
これらを同時に味わえる絵なんてそうそうないですから。
バトル!
倉科明日香 VS 佐藤院麗子
視点の切り替えが度々起こり、そのため熱のこもった戦いとなっていました。
あ、戦いと言いましてもあくまでスポーツでして。
フラッグに到達するか、相手の背中にタッチすると1点だそうです。
佐藤院麗子。
「佐藤」と「院」というアンバランスすぎる組み合わせな名字を持った少女。
他校の生徒ということで、今後ともライバルになっていきそうな予感です。
初登場のセリフが「オーホホホ!」だったように、コテコテのお嬢様キャラです。
しかし存外にいい奴っぽくて。
サブキャラなのが惜しいほどです。
ちょうどキャラ紹介っぽいことをしたので、それに続いていこうと思います。
まずはメインヒロインたちから。
鳶沢みさき cv紺野由梨
クラスメイト。朝は低血圧。放課後はハイテンション。
主人公との距離感が絶妙。
幼馴染ほど近くはない、まさに友達という感じ。
かと言って、その友達ということをことさら強調してくる感じもなく。
心地よい空間を作ってくれています。
有坂真白 cv瀬良みこと
1年生。鳶沢みさきLOVEな後輩。
テンション高めです。
というか体験版の範囲ではずっとハイテンションを維持してました。すごいです。
なんですけど、一方で、ギャグキャラ要員といった様子でもなく。
ようするに、こいつはギャグキャラだからテンション高めにしとこう、といったライター側の顔が透けることがなくてですね。
このコの書き方だけでも、この作品の良さが感じられました。
それほどに自然体なキャラでした。
違和感なく作品の中に溶け込みながら、なお自然体でいられるキャラなんて、めったに見られるもんじゃありません。
市ノ瀬莉香 cv三代眞子
他校の生徒。主人公の家の隣に引っ越してきました。
このコに関しては、ほとんど謎なままです。
空の飛び方が非常に綺麗なのだそうです。
にしても。
窓が向かい合ってるってのはいいもんですね。
ベタだろうがなんだろうが、いいもんはいいです。
倉科明日香 cv澤田なつ
主人公達のクラスにやってきた転校生。メインヒロイン。
強い明るさを持っています。
強く深い明るさです。
天然っぽいといえば天然っぽくはあるのですが、その言葉だけでは片づけたくないコです。
今はまだ周囲の環境の変化に少なからず戸惑っている状況なのだと思われます。
将来的に、みんなを引っ張っていくのだろうなというような、そんなふうに思わされる何かがあります。
サブキャラクターズ。
青柳紫苑&青柳窓果。兄弟です。
窓果は主人公達のクラスメイト 兼 FC部のマネージャー。面白い系。
紫苑はFC部の部長。暑苦しい系。
2人ともいい意味で完璧なサブキャラです。
窓果については、場を明るくし、かわいくもあるんだけど、「なんでメインヒロインじゃないんだよっ」という感じではないという、いいところについています。
紫苑にしても、似たような感じです。けっこうキャラが濃く、存在感はあるのですが、しかしうざったくはない。この感覚はどこからくるのでしょうか。やっぱり彼の言動のまっすぐさが理由なんでしょうか。
各務葵。
クラスの先生。
主人公と昔からの縁があるらしい人。
とにかくかっこいい。
見た目も、言動も、何から何までかっこいいです。
極めつけは、cv緒方恵美。
そりゃかっこいいですがな。
体験版には以上の登場人物のみでしたが、公式サイトによれば、まだまだ大勢のキャラクターたちが登場予定であるそうです。
ようするにまだまだストーリーは始まったばかりということで。
いやはやいやはや。
振り返れば記事がそろそろ長ったらしさを極めだしてますね。
それでは最後、画像ごとに……。
体操服のヒロインズ。
このときが初めての体操服だったんで新鮮な感じがしました。
学校の俯瞰。
空を飛べるからこそ見られる光景であります。
たぶん画像下の方の足跡マークのところが、飛行の離着陸地点なのだと思われます。
こうした細かいところの設定っていいですよね。
世界観が確固としたものになる感じがします。
あと、体操服ヒロインズの画像の場面は、背後に見える建物と短い石段からみるに、およそ、上の方に見える校庭です。
空。
ストーリーの最初の方で出てきたシーンです。
「あの時と同じ蒼い空が、今日も、遙か彼方まで広がっていた。」
空を飛んでいるところ。
あーいいですなー。
なんとも気持ちよさそうです。
で、第1話が終わり、第2話が始まるところで終わりです。
第2話の予告を早口で倉科明日香がしゃべっていて、あれです、アニメの次回予告みたいな感じ、というかそのままです。
楽しげな感じであります。
という感じで!
以上、蒼の彼方のフォーリズム、体験版、感想でしたー。
いやもうほんと面白かったです。
エンターテイメントの塊です。
制作発表がされたときから絵と設定がいいのはわかっていました。
しかしそういうものに限ってシナリオが駄目だったりするので正直なところ戦々恐々としていたりもしたのですが、まったくの杞憂でしたね。
すごいです。
いやーまだ余韻が残っています。
ほんとすごいです。
そういえば記事内で触れるタイミングがなかったのですが、音楽も素晴らしかったです。
主題歌が良いのはOP公開のときからわかっていたのですが、今回プレイしているにおいて耳に入り続けていたBGM、これがまた良かったんです。
日常における胸躍る感じとか、ラストの部分での盛り上がる感じの曲とか。
最高でした。
とかなんとか言ってるといつまでも記事が終わらないですね。
ぼちぼち今日はこのあたりで失礼したいと思います。
ではでは。
お休みさないー……。いい夜をー……。
発売予定日
2014年9月26日
企画・メインシナリオ
木緒なち
シナリオ
渡辺僚一 陸奥竜介
原画・キャラクターデザイン
鈴森 悠木いつか
過去記事
蒼の彼方のフォーリズム(sprite) 体験版の公開は来月だそうで。 (05/09) 蒼の彼方のフォーリズム(sprite) 体験版の無料配布告知です。 (06/13)(sprite公式HPより)
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