深淵の瞳は恋の色 (JANIS) 体験版 【感想・レビュー】
JANIS最新作「深淵の瞳は恋の色」をプレイしたのでその感想です。
個人的に今後やりたいなーと思ってるエロゲ体験版のまとめのメモという記事の中で、7月エロゲの体験版はもうやらないみたいなことを書きましたが、結局やりました。
理由は、今作の体験版の容量が少なくてすぐ終わりそうだったからです。
あと、今作には以前から気にはなっていまして。
JANISというメーカーは、リリカルなのはの原作「とらいあんぐるハート」の
制作販売社でありまして、しかも今作は実に7年ぶりの新作ということらしいのです。
そのうえ橘まおさんも出演してらしてるということで。
そういったもろもろがあって、今作をプレイするに至ったわけでございます。
※8/4追記
JANISは発売・販売を担う会社だそうで、「とらいあんぐるハート」にしても今作にしても、開発は別会社が行っているそうです。
詳細はこちらを参照です。
→
深淵の瞳は恋の色(2014/07/25~) JANISというブランドを御存知だろうか /
(エロゲ価格相場を見守るブログ さんより)で、肝心の感想をば。
……まずは外堀から。
Hシ-ンがないのは別にいいです。
OPがないのもまあいいです。
だけどCGはせめて1枚くらいは入れてほしかった。
システムはふつう。
……次に内容についてです。
Mな方にオススメです。
わけもなからぬうちにヒロインに叱られることができます。
ツンデレてきな罵倒とかではないです。
叱られるのです。
「おまえは妖怪に食われる運命にあるのだ。自分の状況を理解しろ。振る舞いには気をつけろ。わがままを言うな」
とかを、かなりキツイ声と表情で言われます。
それから、口喧嘩とかそういうのが好きな人にもオススメです。
主人公がまったく口をはさむ余地がないまま、ヒロインたちが口喧嘩を繰り広げます。
キャイキャイという感じではなくオラオラという感じです。
頻度も多いです。作品内の半分くらいは口喧嘩で構成されています。
それを主人公は何も言わずただ見ています。
夫婦喧嘩を見ているしかできない小学生の気分が味わえます。
なよなよとした主人公が好きな方にもオススメです。
主人公はあまり口を開きません。
たまに開いたかと思うと「わけがわからないよ……どうすればいいんだろ……」というようなことを繰り返して言います。
碇シンジ君タイプというわけではありません。
逃避による思考停止ではなく、脳みそそのものが空なのだと思われます。
それを象徴するように、時折突拍子もなくテンションを上げることがあります。怖かったです。
……、えー、少なくともこれは娯楽ではありません。
たぶんジャンル分けをすればきっとコメディということになるのでしょうが、たまにあるギャグシーンにしても、笑えないとかそういうレベルではないです。
ふだんの場面から置いてけぼりを食らわされているので、いきなりギャグを挟まれたところで、
「この人たちはいったい何をしているのだろうか」
と、極めて冷静な目で疑問を抱かされることになるしかないです。
もう一度いいますが、これは決して娯楽ではありません。
では駄作かと言えば、一概にそう切って捨てられるものではないとも思います。
どういうことかと言いますと、この「置いてけぼり感」は貴重だということです。
設定過多による「置いてけぼり感」は多々見られるものですが、今作におけるそれはそんなちゃちなものではなく、本物の「置いてけぼり感」です。
上でも書きましたが、夫婦喧嘩を傍観する子供、の気持ちになれるというのは、まったくの冗談とは言えないのです。
それともう一つの考え方としましては、体験版はつまらなかったけど、製品版は面白いかもしれない、という考え方もあります。
物語の最初の方でわざと読者にストレスを与え、物語の最後の方でそれを一気に解放させる、という手法があります。
カタルシスを感じさせるというやつです。
もしかしたらこの作品はそれを狙っているのかもしれません。
だから物語の最初の部分だけを切り取った体験版はあんなにもクソだったのです。
きっと製品版を最後までプレイしさえすれば素晴らしいカタルシスを得られるはずです。
可能性はゼロではありません。
このブログの方針として、作品を貶めることは言わない。最大限褒める。というものがあります。
作品をけなすくらいならば記事そのものを書くことすらしません。
嫌いな作品の記事を書くことに割ける時間も気力も自分にありはしません。
では、なぜ今作においてはこんな嫌味みたいなことを書き連ねたのか。
それは、上記のカタルシス云々とかいうことを、自分は本気で思っているからです。
自分の今までのエロゲ人生、いや、映画や小説も含めて、ここまできれいにストレスを与えられたことはありませんでした。
例えばカルマルカサークルなんてのにもストレスは与えられましたが、あれはあくまでライターの顔が透けて見えるような、そんな低品質な文章によるものです。文章もストーリーも駄目でした。朝比奈晴がクラスメイトに陰口を言われてそれに主人公が切れるシーン。あの瞬間などは自分は天を仰いでこれを買った自分の見る目のなさを呪いました。
今作は違います。
胸をスカッとさせる・共感を覚えさせる・泣かせる・笑わせる、それらをしようとして滑っているとかそういうのではないのです。
一直線に、ストレスを与えるという以外の目的が見えない文章なのです。
ただひたすらにストレスを積み上げていくのです。
上質なストレスです。
これだけきれいにストレスを重ねることのできる作者であるわけです。
その力に自分はかけてみたいわけです。
ただ難しいところは、ストレスを重ねる筆力のあることはわかったのですが、それをカタルシスに昇華する力までを持っているかは不明なのです。
もしかしたらストレスを与える文章を書くことのみを鍛錬した人の可能性もあります。
それほどの上手さがあったということでもあります。
例えカタルシスなどがなかったとしても、きっと今のままでも需要はあると思われます。
ニッチなところには案外に人が集まるものです。
少なくともこの作品は凡百のエロゲとは一線を画しています。
えー、いろいろ言いましたが、自分はこれを買うつもりはありません。
なぜなら自分はエロゲには癒しを求めているからです。
もしくは良質なシナリオゲー。
今作のようなタイプの作品は、他のジャンルで個人的には間に合っています。
王道なんてクソ食らえと思っている方は是非!
それでは今日はこのへんで。
おやすみなさいー。
「深淵の瞳は恋の色」
原画
スタジオペールアクア
シナリオ
スタジオペールアクア
発売予定日
2014年7月25日
ゲーム画面抜粋。
(深淵の瞳は恋の色 公式サイトより)(JANIS公式HPより)
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